CONCEPT 柳川屋のこだわり



うなぎだより|Vol.3

 5月より元号が「令和」へと改まり、新時代の幕明けとなりました。日本の古典から選ばれたのは確認できる限り初めてとの事ですが、時代が変わっても常に創造と成長によって永続する日本であってもらいたいものです。
 
 さて、毎年11月から始まるアジア全域でのウナギシラス漁ですが、この4月まで昨年と同様に低水準での水揚げ量となり、日本近海を含むほぼ全域でウナギシラス漁が終了してしまいました。私共は、情報を得るたびに、不安が募る日々が今年も続きました。
 
 唯一、一安心出来たことと言えば、今月(5月23日~6月3日)スリランカの都市コロンボで開催されるワシントン条約第18回締約国会議(COP18)で、ニホンウナギを含む、ウナギ属19種の付属書掲載(野生動植物の種について、絶滅のおそれの程度に応じて付属書に掲載し、国際取引の規則を行う)が回避されたことです。(次回の会議までは、今まで通りの取引が可能だという事です。)
 
 しかしながら、2018年7月にスイスのジュネーブで開催されたワシントン条約第30回動物委員会では、ウナギ資源が減少傾向にあり、依然として価格が高騰していることを背景に養殖稚魚の不正取引等が指摘されており、今回の会議で、新たな取り決めが採択されるようです。シラスウナギの国際取引に不透明な事例が多いとして、東アジア地域の国々に対して何らかの改善が求められそうです。今後の状況次第では3年後の2022年に開催予定のワシントン条約第19回締約国会議(COP19)では、付属書への掲載が懸年されます。
 
 まずは一山越えたうなぎ業界ではありますが、今後も尚一層のウナギ資源保護と管理の強化が求められます。
 
 なんだか、非常に堅苦しい内容の文章になってしまい、心苦しく思います。
 
 また、昨年来からの我社の明るい話題としては、新しく取引きを開始した宮崎の鰻問屋さんとかなり強固な関係を築くことができ、他の問屋さんが追随できない程、厳格に選別された良質な活鰻だけを届けていただける様になり、安心安全で安定した美味しさの鰻料理をご提供させていただける喜びをかみしめている今日この頃です。
 
 これからも日本古来からの「伝統元気食」である美味しい鰻を、一尾一尾丁寧に扱い、真心と愛情を込めて調理し、お客様の元へお届けさせて頂けたら幸甚に存じます。

 有限会社サンクス うなぎ処 柳川屋
取締役副社長 安永幸滋